2010-04-01

コンサルトの受けたかの本

2010年3月31日
コンサルトの受けたかの本
研修委員長 田村幸大

私は研修委員長の他に感染管理医師(infection control doctor)の資格を持ち、院内感染防止対策委員長という肩書きもあります。
毎週、病棟のラウンドを行い抗菌薬の使用状況をチェックしております。

さて、そんな場面では、「この抗菌薬の使い方は改めて欲しいな~」とか「もう1回血液培養2セットを出して欲しいな~」とか色々と思う事があります。
ただ、ものの言い方をよく考えなければ、主治医の先生から嫌われてしまい、二度とコンサルとされなくなってしまいます。主治医の先生も「患者さんが悪くなれば良いのに」なんて思っている人は一人もいなくて、単純に抗菌薬投与時のルールを知らないだけだったり、昔習ったやり方を継続しているだけだったりします。
そこで如何に周囲と良い関係を築きながら感染症診療をやっていくのかというテーマの本を読みました。

「感染症チーム医療のアプローチ 解決力・交渉力を磨く」
http://www.nankodo.co.jp/wasyo/search/syo_syosai.asp?T_PRODUCTNO=2253831

コンサルトの仕方に触れられている本を読んだ事はありますが、この本には現場で良く遭遇するコンサルトに対する回答例が1問につき3つのパターンが提示されています。そしてそれぞれの選択肢に0点や100点などと著者の主観で点数が付けられています。言ってみれば「コンサルトの受け方の本」ということになります。
例えば困ってコンサルトしてきたのに、血液培養2セットが提出されていなかったという理由で激怒して椅子を蹴って出ていってしまったら0点という感じです。培養が出されていないことについては必要性についてフィードバックすることとして、目の前の患者さんへの対応をしっかりしていくことが求められる訳ですね。
本当に良いコンサルタントは、正しいことを強く主張して周囲と衝突する人では無く、周囲が協力したくなるような様々な工夫をして自分の考えを時間がかかりながらも受け入れてもらえる人なのだとわかります。

感染症診療をベースに書かれていますが、NSTなど診療科横断的に活動するチーム運営にも参考になるのでは無いでしょうか?



4 件のコメント:

  1. 木村 圭一2010年4月2日 1:54

    田村先生、貴重な本の紹介ありがとうございます。
    私は今月からNST担当になりました。つまりこの本を読めと言う事ですよね〜。
    早速アマゾンで注文しました!!

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  2. 研修委員長 田村幸大2010年4月2日 10:04

    木村先生
    ご購入ありがとうございます。
    多分、参考になるかと思います。(が、参考にならなくても、私に本代を請求しないで下さいね)

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  3. 木村 圭一2010年4月6日 7:24

    本半分読みました。今までこのような視点でコンサルトを受けていませんでした。患者さんへの話し方にも参考になります。
    今までの私は25点ぐらいでした。85点になるよう努力したいと思いました。

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  4. 研修委員長 田村幸大2010年4月6日 8:55

    木村先生
    それならば、本代を請求されることはありませんね(^_^)

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