2010年2月16日
手技を最後までさせてもらうために
救急部長 木村圭一
研修医になって色々な手技を覚える場合、最も重要なのは実際にやってみる事です。今はシミュレーターがありますので、患者さんに危険を与えず、色々な状況を作り出したりして練習できます。
が、シミュレーターのないものもありますし、やはりシミュレーターには限界があります。
実際に患者さんに手技をさせてもらう場合、必ず指導医の立ち会いが必要です。その時に、気が短い指導医だとすぐに「俺が代わるよ、、、、」と言われてしまいます。あ〜あ、優しいA先生だったら良かったのに、、、、と思う事も多いと思います。
しかし、指導医の気の短さだけではありません。自分の手技や知識や態度の問題と考えましょう。
やはり患者さんに危険を与えてはいけませんので、指導医はハラハラしながら見ています。あそこでこうする事分かっているんだろうか??と思う訳です。出来ていないと思われれば取り上げられます。
つまり、私はちゃんと分かっているんだよ〜と言う事を示せば良いのです。下手なのは仕方ないですし、指導医も分かっています。一番怖いのは、重要な事を分かっていない事です。
胸腔ドレナージチューブを入れる場合、内筒(最近はこれを入れないで挿入すべきらしいですが)の先端が怖いですから、これが深く入らないように、利き手でない方の手で先端から数センチの所を握って入れます。利き手の方が重要だと言う事で、異常なぐらい力を入れていますよ!と言うアピールをしないと(あるいはそれを口で言うか)指導医は不安になります。心臓にトロッカーが刺さったら大変です(実際そういう事故もあるそうですから)。
中心静脈ラインをセルジンガー法で入れる場合はガイドワイヤーを大げさに動かす必要があります。スムーズに入っているかどうかは手の感触で分かる訳ですが、見ている指導医には分かりません。スムーズに動きますよ〜、ほらこんなに!と大きくガイドワイヤーを動かしていれば、指導医は安心して見ていられます。
気管挿管でも、横から「声帯見える?」と言われた場合には自分の手技がまずい(姿勢が悪い)んだと思うべきです。
指導医を安心させる手技を行えば、患者さんにも安全ですし、自分の手技を取り上げられる頻度も減ると思います。
注 色々な主義を覚えたい場合には、教育担当副院長に相談して下さい。
方の如く自己レスです。
返信削除先日鹿児島生協病院で福井大学の寺沢先生(救急部)のお話がありました(有留先生が記事にしてくれる予定ですが、、、、)。
その中で、指導してくれないと言う人も多いが、嫌がる指導医を引っ張ってでも教えてもらうと言うような姿勢も必要だとお話しされていました。
有留先生早く記事書いてね〜。今日は島根の説明会で忙しいでしょうが(^.^)。