2009-11-20

小児科研修を終えて

2009年11月19日
小児科研修を終えて
2年次研修医 江口徹郎

最近は、大隅鹿屋病院に戻ってきた!という嬉しい気分で近況をブログに書いていましたが、やっと自分の病院の感覚を取り戻してきたので、先月まで行っていた小児科研修の振り返りをしたいと思います。

10月~11月の2ヶ月は、鹿屋医療センターで小児科研修でした。

まだ私には子供がいないため、乳児や子供に触れるというのはなかなか大変なことでした。
人見知りする幼児期の子供は大人とは違いなかなか素直に診察させてくれません。
まともな質問をして答えが返ってくるわけでもない乳児。
私の顔を見るだけで泣き出す子供。
また普段子供の様子を見ていないお父さんが具合が悪いと言って連れて来る時は、
既往歴や薬剤歴などを把握していないこともあり、診察が難航することもあり大変でした。
子供が病気になり不安でいっぱいなご両親への病状説明。
私にとっては、最大の難関でした。
でも、そんなつらい事ばかりではありません。
病気がよくなって退院していく子供の姿や、注射の時にこの世が終わる位、泣いていた子供が何分もしないうちに満面の笑みで母親と見つめ合う姿などはとても素敵で印象的でした。
そんな2ヶ月間、指導医の助言を得ながら、なんとか走り切ることが出来ました。

小児科では、特に小児の診察方法、採血方法、ルートの確保方法等を学ぶ事が出来ました。
救急では髄膜炎が意外に多く、即座に検査、診断、治療を開始していかなければなりませんでした。
小児の薬剤投与量はほぼmg/kg/day か mg/kg/dose 換算で考えますので、mg/day or mg/dose で投与している大人とは違い緻密に計算されています。
特に新生児の輸液速度は0.1ml/h単位で計算します。非常に細かいです。

鹿屋医療センターの小児科の先生方は持ち回りで24時間体制をとり、少ない人数で鹿屋地区の小児救急を担っています。
鹿屋市内、大隅半島で小児の入院施設を持っている病院は医療センター一つだけなのです。
田中先生も、宮園先生も、貴島先生も、地域の小児科医療を支えてくれる素晴らしい先生方です。
そんな病院で、地域医療(小児科)を学べたという事はとても貴重な体験となりました。
勿論、大きな病院で素晴らしい医療設備や専門家の先生方がいらっしゃるところで研修するのも素晴らしいことだと思います。
しかし、私自身は、大隅鹿屋病院もそうですが、こういった『ここでしか出来ない』『ここでやらなければ』という状況の中で一生懸命に医療を行っている地域医療という現場で研修出来るという貴重な体験が出来ました。



2 件のコメント:

  1. 木村 圭一2009年11月20日 3:25

    貴重な体験報告ありがとうございます。
    こう言った体験を今度入ってくる研修医の先生達にも伝えて頂ければ、そして振り返りレポートにも書いて頂ければもっと臼井さんも嬉しいと思いますよ。

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  2. 木村先生コメント有難う御座います。
    これからも、報告していこうと思います。

    返信削除

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