2009年10月7日
CVが入れられる事は偉くありません
救急部長 木村圭一
ブログをお読みの皆様に言い訳です。私は9月からまた鹿屋に戻ってきました。1年間別の所にいたのですが、、、、よろしくご指導お願いいたします。
田村教授ばかりの記事では、研修医ブログじゃなくなってしまいますので、、、僭越ながら書かせて頂きました。
研修医の先生達が集まると出てくる話題の一つに、「俺はCVが上手い!」というのがあります(クラスIIa)。臼井さんは、研修医の先生達に何度聞かされたんでしょうかね、、、、、
CVと言うのは、中心静脈ライン挿入術というのの略称です。英語でcentral veinと言うからでしょうかね、、、、昔はIVH(intravenous hyperalimentation)を入れるとか言っていたのですが,今そんな事を言うと、年寄りと言われたり、IVHと言うのは死語?であり今はTPN(total parenteral nutriton)と言うべきだとか色々非難されます(エビデンスレベル未確定)。
普通の点滴とは違って、見えない深いところにある静脈に管を入れる処置で、研修医の先生達は喜んでやってくれます。当然見えないところに管を入れるのは難しく、これが上手く入ると気分が良いです。そして、臼井さんの部屋に行き、自慢したくなる訳です。
もし看護師さんで読んでいらっしゃる方がおられたら、是非CVが入った後は、「さすが先生!!わっせ上手いですね?すご?い!!!」と言ってあげましょう。今度の出張で高級なお菓子を買ってきてくれる可能性があります(エビデンスレベル未確定)。
しかし、忘れてはいけない事があります。CVは手段であり,目的ではないと言う事です。CVを必要とする患者さんは、食べられないとか、重症であるとかです。栄養状態を改善したり、重症な状態から抜け出すために行うものです。よってCVが入る事は枝葉の事であり、それで満足してはいけないという事です。
それから、怖い物知らずという事もあります。CVは重大な合併症を起こす可能性がある危険な処置です。みるみるうちに意識がなくなって冷や汗をかいたり、動脈を穿刺してしまい,白衣が真っ赤になった事もあります。経験を重ねると、怖くて深く針を刺せず、CVが入らないという事もあります。CVが上手いという事は、怖さを知らないという事かも知れません。
当院にはCVのシミュレーターがありますが、新しい物が出ているようです。エコーガイドによる練習ができたり、深く刺しすぎると気胸になるんだそうです。是非そのシミュレーターを購入して、怖さも知っているスーパー研修医になりましょう!!(院長先生、不純だなんて言いませんから、買ってね)
ちなみに中心静脈とはどこでしょうか??江口先生レポートにしてくいやん。
確かにAラインを入れて、CVラインを入れて、、、両方とも上手く入ると研修の初めの頃は、凄い満足感が得られます。
返信削除でも冷静になって考えると、血圧を持続的にモニタリングする体制が整い、薬剤を投与するルートが確保されただけなのです。
経験を積んでくると、その後に待ち受けている患者さんの治療という現実を前に、一喜一憂する事は減ってきますね。