2008-06-09

尊敬できる先生を見つけましょう

2008年6月9日

尊敬できる先生を見つけましょう

研修委員長 木村圭一


 "http://202.133.118.29/trainee_doctor/archives/2008/03/post_70.php">以前の記事に書きましたが、
研修で重要な事の一つは、この先生に教わろうと思える師匠を見つける事です。現在はエビデンスの時代と言われていますが、
エビデンスレベルの高い治療と言うのはなかなかありません。また、エビデンスだけでは医療は出来ません。


 人間は理屈だけで色々決められる生き物ではありませんので、結局何か他の力が必要です。それが尊敬できる先輩の意見と言う訳です。
身近にいる先輩はもちろんそうですが、その他にも有名人で尊敬できる人を見つけましょう。その先生が言う事ならば、信用できる、、、、って。


 私の好きな先生を何名かご紹介しましょう。


 Paul Marino先生

「the ICU Book」と言う本を書いています。日本語版ももちろんありますよ(でも出来るだけ英語で読みましょうね)。
会った事もありませんし、顔も知りません(当たり前ですか)が、非常に面白い本です。気管挿管の適応と言う所(P.461)には、
「挿管を考慮していると言う事自身が挿管の適応である」「挿管は中毒ではない」「挿管は弱虫のとる行動ではない」
など非常に心強い事が書いてあります。


 マッシー池田先生(本名が分かりません(^.^))

 マッシー池田と言うニックネームでケアネットのビデオなどにも出てこられます。神経内科の先生"http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/">ですがただの医者じゃないようです。
"http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/fordoc.html">お医者さんと生命科学系の研究者のためのページというホームページを作っておられ、
大変面白い事が書いてあります。カラオケ中に頭痛が出現したと来院した人がいて、"http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/anamne.html#nthdach">くも膜下出血以外にあり得ないなど明快かつ役に立つことが沢山書かれています。


 福家伸夫先生

 個人のホームページに著作の引用をお願いしたのですが、丁寧にお返事を頂けた上に、
「私も勉強したいので先生のホームページのURLを教えて下さい」などと言って頂きました。著作であるICUチェックブックにも、
濃厚赤血球輸血は循環血液量増大効果はないので、出血に輸血だけで対応してはいけないし、
心不全に対して安心して入れられるなどとはっきり書かれています。


 稲田英一先生

 麻酔科の先生で有名な人です。一度だけ帝京大学に研修に行っている時に、私の研修していた場所に来られ、
学生さんに振りまいていた笑顔を忘れません。とっても良い先生なんだろうな、、、、と思いました。バスの中でも一度お会いしたのですが、
勇気がなくて声をかけられませんでした(^.^)。


 是非尊敬できる先生を見つけて、その先生の本を沢山読みましょう!



4 件のコメント:

  1. 高島@静岡徳洲会2008年6月9日 21:42

    こんにちは、10年目の内科医です。同感です。ハリソンなども良いのでしょうが、やはり1人の著者が書いている本が身にしみます。僕のお勧めは、北野邦孝先生の、神経内科の外来診療-医師と患者のクロストーク-です。また、感染症の分野では青木先生を筆頭にいくつか単一著者の本があります。が、消化器や呼吸器の分野ではそういう本がないように思います。どなたか、「これが良い!」という本があれば教えてください。

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  2. 木村 圭一2008年6月10日 5:57

    高島先生、コメントありがとうございます。
    北野先生、青木先生の本、是非購入したいと思います。
    また先生が本を書かれた場合には購入しますので是非教えて下さいね!

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  3. 田村 幸大2008年6月10日 11:17

    私が良く勉強している領域で一人の著者が書いている本を紹介します。
    輸液と電解質の本では柴垣有吾先生の「体液電解質異常と輸液」がお勧めです。電解質異常の本は中々改訂されない事が多いのですが、この本は例外的に毎年改訂されてもう3版まで来ています。ただ、詳しすぎる可能性もありますし、他科からの電解質異常のコンサルトにはこの本を再確認して返事を書いている事が多いので、レジデントや外科の先生は買わないで下さい。元ネタがばれてしまいます。入門編としては黒川清先生の「水・電解質と酸塩基平衡」が簡単に読めて良いでしょう。薄くてその気になれば2~3日で読めます。練習問題もたくさん入っていてお勧めです。
    循環器領域では村川裕二先生の「循環器治療薬ファイル」がお勧めです。エビデンスがある事はしっかり書いてありますし、エビデンスが無く何となく「こうだろうな~」と日々思っている事もしっかり書いてくれています。エビデンスが無い事に関して、あえて自分の経験を元に書くというのは、かなりの臨床経験が無いと出来ない事なので、只者ではないと読んですぐにわかります。

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  4. マッシー池田の本名は「池田正行」です.こちらにそう書いてあります.
    http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/legend1.html

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