2008-01-11

知識の共有 

2008年1月11日

知識の共有 

2年次研修医 有馬 喬


医療センターでは毎週木曜日、医局で各科の上級医の先生と研修医が持ち回りで15

分程度の勉強会をしている。

各科の専門的な内容のこともあるが、季節的に流行る疾患の話であったり、専門医

の診察が必要な疾患の場合、引継ぎまでに済ませて欲しい検査や処置の話が結構興

味深く役に立つ。

当院には小児科、産婦人科、脳外科、耳鼻科の常勤医がいない為これらの科の先生

方の勉強会は特に楽しみにしている。


当院は基本的に救急車の受け入れを断らない。

従って、非専門分野の診療をしなくてはならない状況に必ず遭遇する。

いずれは鹿屋医療センターを始めとしたこれらの科の専門医の常勤する施設へ紹介

という形になるが、引き継いだ後に専門医の診療が始まるまでの時間はどう短く見

積もっても1時間はかかる。

この1時間という時間に非専門医である自分は何をすべきなのかということに、救急

医療に携わる医師は自分の専門に関らず常に貪欲でなくてはならないと思う。


これは別に当院の話ではないが、「何でさっさとこっちに渡さないんだ?」「何で何

もやって無いんだ?」「こんなことも知らんのか?」と怒る先生もいるだろう。

そう言いたい気持ちは分かる。

しかしである。

専門医として、非専門医の先生に対して、こうして欲しいとか、欲しくないとか、

このタイミングでコンサルトして欲しいとかいった類の勉強会を開く、といった何

らかの情報の発信をした事の無い先生にはそう言う資格は無いと思う。

つい最近医者になった奴が何言ってんの?って思われそうだが、専門医である自分の

知識を非専門医の先生に共有してもらおうとする姿勢が大切では無いだろうか?


自分は時間がある時は「急性腹症のCT」のホームページでよく勉強させてもらって

いる。

自分は腹にも胸にもメスを入れれない内科医である。(になる。)

だからこそ外科医にしか治療できない疾患を絶対に見落とさない読影力が必要なの

である。

某、徳洲会の外科グループは「メスの持てる内科医」を育成する。

と表して内科的知識の豊富な外科医を育成しようとしている。

実際どのような感じなのか存じ上げないが、その理念には感銘を受けた。


長々と真面目な話をしてしまったが、今日の医療センターでの勉強会の当番が僕だ

ったのでふと思ったことを綴ってみた。

簡単に言うと、当院でもやりましょうよ!って話である。


ちなみに今日発表したテーマは「胃腸炎関連けいれん」。

子供は下痢してる時、突然けいれんすることがあるようだ。

高齢者の方が下痢がひどく体内の電解質のバランスが崩れてけいれんするのとは機

序が全く違う。

予後はいいのだが、このけいれん、よく使われるジアゼパム、ミダゾラム、フェニ

トインといった抗けいれん薬が効かないことがたまにある。

そんな時、リドカインという抗不整脈や局所麻酔に使われる薬が有効らしい。

加えて、小児科の先生のお話もあった。


ちょっと賢くなったそんな一日であった。



1 件のコメント:

  1. 木村 圭一2008年1月11日 22:30

    貴重な提案ありがとうございます。
    2月1日朝8時30分より先生が講師で勉強会をする事になりましたので、準備をお願いします。

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